しつけはなんのため?
当然のことながら、犬と人間は別の生物です。
祖先も、習性も生態も違います。
犬はとっくに成人しているのに、いつまでも人間の赤ん坊を扱うように
犬の要求を積極的に満たそうとする飼い主さんをよくみかけます。
犬は権勢本能といって、自分がリーダーになろうとする本能を持っています。
普段の生活から、常にまわりの状況から自分と周りのものに優劣をつけます。
自分に従うもの、注目するものは自分より劣位のものと判断します。
そして、飼い主から要求をみたされるごとにどんどんと権勢本能が育っていくのです。
劣位のものが自分の気に入らないことをすれば、威嚇し時には咬みつきます。
そして、何かをしてほしいときには容赦なく吠えるのです。
エスカレートしてくると、権勢症候群といって、問題行動を起こすようになるのです。
散歩に出かけても、周りの犬や人に威嚇して吠えたり、
近づいてくる人に咬み付いたり・・・・
このような状態は犬にとっても人間にとっても幸せとはいえませんね。
犬は権勢本能と同時に服従本能といって、強いものに服従する本能も持っています。
人が犬のリーダーとなれば、犬は安心して服従します。
リーダーに任せておけば、安心なので吠えることも咬むことも必要ありません。
誰かが近づいてきても、リーダーがいるので安心です。
しつけというのは、犬の権勢本能を抑え、服従本能を引き出すことによって、
人間の世界で犬とともに幸せな暮らしをするための理解の認識を深めることだと思います。
厳しくすることがしつけではないのです。